自律神経失調症
私たちは、肉体を持って生活、活動していますが、骨格や筋肉を動かしているのは、神経からの電気信号です。意識を持って脳から出た命令が、身体をを動かして、私たちは動く事が出来ます。この神経を体性神経と言います。また、内臓や腺にも脳からの命令が伝えられます。これは意識とは関係なく自動的に命令が送られて、日々調節されています。この神経を自律神経と呼んでいます。
【このページの目次】
◆自律神経の働き
◆交感神経と副交感神経の作用
◆自律神経のリズム
◆自律神経の絵
◆本態性型自律神経失調症
◆心因性自律神経失調症
◆うつ病と自律神経失調症
◆不安神経症と自律神経失調症
自律神経の働き
自律神経は、交感神経と副交感神経に分かれます。交感神経は興奮させる神経で、副交感神経は興奮を鎮めて、からだをゆったりとさせる神経です。
交感神経と副交感神経の作用
交感神経、副交感神経のそれぞれの働きが活発になると、次のようなことが身体に起こります
↓↓交感神経↓↓
心臓・・・鼓動が小さくなり速くなる
血管・・・小動脈と毛細血管が収縮(顔面蒼白)
血圧・・・上昇
瞳孔・・・拡大
腸管・・・蠕動運動が抑制される(便秘)
気道・・・気管支が緩む
立毛筋・・・収縮(鳥肌)
↓↓副交感神経↓↓
心臓・・・拍動が大きく遅くなる
血管・・・血管拡張(顔面紅潮)
血圧・・・下降
瞳孔・・・縮小
腸管・・・蠕動運動が亢進する(下痢)
気道・・・気管支が収縮する
立毛筋・・・拡張
日中は交感神経が働いて、夜に寝ているときは、副交感神経が優先的に働いています。これから寝ようという時に交感神経が活発になっていると、目がパッチリと冴えて寝られなくなってしまう事は皆さんの経験でもありますよね。
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自律神経のリズム
通常、自律神経のリズムは、日中は興奮を起こし、活動を促す交感神経が働きます。休むときは副交感神経が働き、身体を回復させようとする働きが起こると共に、身体を修復させるよう働きます。
不規則な生活習慣や、季節のかわりめ、転職や引越しなどの環境の変化によっても、自律神経の切り替えがスムーズでなくなり、リズムが狂います。
自律神経の絵
◆交換神経は背中の脊髄神経が主に仕事を担っています。
◆副交感神経は脳の下部から走行している脳神経と、骨盤の中心の仙髄から走行する神経が主にその働きを担っています。
解剖学的にも頭蓋骨の調整、骨盤の調整、脊椎の調整は、自律神経のバランスに大きな影響を与えていると考えられ、ここの調整は、実際に大きな効果を発揮しています。
ヘルペスなどの感染症の後遺症で残る神経痛や、自律神経失調症の不調は、脊椎の調整、頭蓋骨の調整、骨盤の調整によって、解放に向かう事がとても多くあります。メディカルチェックが必要ですが、カイロプラクティックとの併用治療は、米国においても通常よく行われています。
本態性型自律神経失調症
心理的な要因のないタイプの自律神経失調症です。自律神経の症状は異常状態を示しますが、精神的なことでの変化が少なく、体質的な遺伝や、元々の個性的な要素で発病していく自律神経失調症です。乗り物酔いをしやすかったり、お腹が痛くて学校をよく休んだり、すぐに下痢や嘔吐をしたりするようなタイプの方がこれに当たります。ただし、体質的に自律神経のバランスを崩しやすい人でも、精神的なストレスが加わっている事も、当然のごとくあるわけです。
心因性自律神経失調症
心のストレスが原因となって自律神経のバランスを崩してしまうタイプの方です。性格や考え方などのきっちりしたタイプの型に多いようです。最近のストレス社会では、心因的な要素で自律神経のバランスを崩すタイプの方はとても多いようです。このタイプの場合、肩は常に張っていて、体中がいつも緊張しています。この為、肉体的にも精神的にも休む暇がないような状態になっています。
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うつ病と自律神経失調症
自律神経失調症とよく似た症状で、最近よく聞く「うつ病」があります。うつ病は、気分が沈んだり悲しさやむなしさといった感情が強くなり、やる気がなくなってしまうといった精神的な疾患に分類されます。両者の区別は精神的な力強さが、どれだけ存在しているかといった事です。うつ病の場合は、精神的な力強さは低下し、精神症状が主な症状になります。逆に自律神経失調症の場合は精神的な力強さはあまり低下していません。しかし、両者の区別は非常に曖昧です。
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不安神経症と自律神経失調症
神経症は、心の病です。不安心や恐怖心が強く、心配する必要がないところで、常に不安や恐怖の念が存在しています。この様な不安心や恐怖心は、どなたでも、ある程度漠然と抱えています。これらの感情は、まったく不用ではないですが、過剰になると、この病名がつきます。神経症でも自律神経失調の症状が出ますが、不安や恐怖から出てくる症状と考えられています。
自律神経失調症を初めとした体調不良は、まずメディカルチェック(病院検査)を怠りなくすることが大切です。その上で症状に適した治療法を選択し、実践することが病状の回復に重要なことです。
自律神経失調症の症状の中には、不定愁訴がとても多いです。不定愁訴とは、診断がつかないのに、異常な自覚症状がある場合のことを、まとめて呼んでいます。そして、自律神経失調症は不定愁訴の要素が大きい病気の一つです。自律神経の司令塔である脳の視床下部という部位の機能低下が考えられます。自覚症状は、ありとあらゆる部位に出てくる可能性があります。
頭痛がする、頭が重いなどという時は、まずメディカルチェックが必要です。脳腫瘍や脳血管障害などの病気が無いか、血圧は正常かどうか、側頭動脈炎などの病気はないか、などを調べなければなりません。しかし、検査では、何の異常も見当たらない事も多いです。この様な頭痛や頭の重さなども、自律神経失調症の一つの症状です。筋緊張性の頭痛が多く、自律神経のバランスが崩れて出てくる症状と考えられます。
目に異常が現れることもあります。眼の痛みや霞、見えにくいなどの症状が出てきましたら、眼科の検診が重要です。明らかに乱視があったり、急に見えにくくなってきているのに、眼科の検診では異常無しといわれることは多いです。年相応であるという説明も多いようですが、目に対する代謝、三叉神経の異常、涙腺の副交感神経である顔面神経の機能低下も考えられます。
唾液の出が悪く、口が渇くような時は、唾液腺の機能低下が考えられます。まずはメディカルチェックをしてみます。異常がないことがわかり、なおかつ自覚症状があるようでしたら、自律神経失調症と診断がつく事もあります。また味覚異常は顔面神経、舌咽神経の支配ですが、神経に異常がないと診断されれば、自律神経失調症という事になってしまいます。喉がつまる、食べ物が喉を通らないなどの症状は、脳梗塞や食道ガンなどの疾患が隠れていることもありますので、メディカルチェックが必要です。
息切れがする、呼吸が苦しい、呼吸が浅い、深呼吸が出来なくて苦しいなどの自覚症状がある場合は、呼吸器科、内科でしっかりチェックしなければなりません。肺炎や気胸などの疾患が存在するかもしれないからです。検査で何でもない場合は、自律神経失調症の診断も考えられます。気管周辺の筋肉の異常や、副交感神経の興奮状態が考えられます。気管支喘息には、自律神経が非常に深く関わっています。バランスを崩すと、気管支は収縮して発作がおきます。
交感神経の緊張は、急に心臓がどきどきしてきたりします。普段は何でもないのに、急に動悸がすると、心臓の疾患を疑ってみたりします。当然ですが、まずメディカルチェックで心臓を調べてみましょう。しかし、異常が無いことが非常に多くあります。何かしらの要因があって交感神経が緊張してしまうのですが、原因が見つかりません。ストレスだとか、心配事のせいと言われることが多いです。心臓神経症などと呼ばれ、悪くない心臓が悪いと勘違いをして、なおさらパニックになってしまう事も多いです。
精神的に緊張をした時や、心配事がある時などに、胃が痛くなったり、消化が上手に出来なかったり、便秘をしたりといった症状が出てくる事があります。よくある症状ですが、メディカルチェックで胃癌、胃潰瘍、大腸、小腸、その他の消化器系の異常は見当たりません。健康なのに、お腹の張りや痛みや下痢や便秘などの自覚症状が出てきます。不思議ですが、自律神経失調症の一つの症状です。
副交感神経の働きで、通常は尿が出ます。尿の出が悪いとか、お腹が痛い等の自覚症状があれば、メディカルチェックが必要でしょう。膀胱炎や尿道炎などの感染症を調べなければなりません。また男性の場合は前立腺肥大などの病気も調べなければならないでしょう。これらがメディカルチェックで何も問題がない場合、自律神経失調症となるかもしれません。また、おしっこが出すぎる場合も問題です。心が緊張すると、膀胱は満タンではないのに、おしっこをしたくなりますが、自律神経が関係しています。
肌が乾燥して痒くなってくる事があります。感染症や其の他のアレルギーや蕁麻疹などは、メディカルチェックで検査が必要です。寝汗をかいたりという場合も、感染などの異常を調べなければなりません。
肩こりや腰痛は多くの人が抱える症状ですが、自律神経は筋肉や血管に働きかけ、筋肉が異常な緊張を起こしたり、異常な弛緩をしてみたりという悪循環をたどります。心のストレスは、交感神経を興奮させて血管を収縮させます。筋肉は緊張して乳酸は溜まり、身体は痛くなります。これに伴い、だるさが出てきます。
手や足の痺れ、痛み、震え、冷え、熱感などの感覚異常は、神経の異常で出てきます。まずは末梢神経の異常か中枢神経の異常かを調べなければなりません。これはメディカルチェックが最重要です。腫瘍や梗塞などの異常が除外されれば、あとは、糖尿病などの内臓疾患を調べます。これらの疑いが全て除外されれば、自律神経失調症も考えられます。
背骨周辺の痛みが、全身に渡って常に存在するという場合があります。この場合は、背骨の異常、筋肉の異常、靭帯の異常、また、これらを支配している神経の異常が考えられます。リウマチや強直性脊椎炎、多発性硬化症、感染症、腫瘍などの疾患が隠れている場合もあります。まずはメディカルチェックが必要です。これらが検査で異常ない場合、自律神経失調症と診断される事が十分に考えられます。
女性はホルモンの影響もあり、冷え症の方が大変多いです。この中でも、特にここ最近、足先の冷えを感じるというような方は、神経支配の異常かも知れません。また心臓の機能低下によって血行障害が起こっていることも考えられます。そのほか閉塞性の動脈硬化や感染症や甲状腺機能低下などの原因も考えられます。まずはメディカルチェックを怠りなくしましょう。また、閉経ではないのにホルモン異常が出てくる、「のぼせ」や「ほてり」の症状があるなどは、婦人科系の異常や脳腫瘍などによる脳下垂体の異常も考えられます。それでも、メディカルチェックで異常がない場合も多いです。この場合は自律神経失調症の可能性があります。
めまいの原因の中に脳疾患が潜んでいる事があります。まずはメディカルチェックが必要です。身体の平衡感覚は小脳や三半規管が担いますが、これらに異常がない場合は自律神経失調症の可能性があります。脳疾患には脳梗塞、脳出血、脳腫瘍があります。これらの重大な疾患を鑑別するには病院治療が重要です。めまいが出たら、放っておかずにしっかりとメディカルチェックを受けるようにしましょう。
季節の移り変わりには、沢山の方が体調不良を起こしてしまいます。温度の変化や湿度の変化など
仕事の姿勢や重労働などで肉体を酷使し続けていると、自律神経の切り替えがうまく出来なくなります。
人間関係の難しさは、誰でも味わった事のあるストレスではないでしょうか。上手に対処できる問題や、自分では対処しきれない難しい人間関係もあります。対処できない人間関係のストレスは、積もり積もって体を蝕んでしまいます。
転職や転居などの環境の変化や、職場の移動、学校の転校などは、社会環境的なストレスになります。また家族の不幸や病気も大きなストレスとなります。
エアコンで冷えているのは体の表面だけです。自律神経は狂い、うまく体温調節が出来なくなってしまいます。(冷房病)
薬物療法は、基本的には薬で自覚症状を抑えてしまうという治療法です。根本的な治療法ではなく、対症療法の一つになります。自覚症状が耐え難い辛さであったり、極度に症状の出現を恐れるような場合は、薬は非常に有効かつ的確な治療方法の一つです。自覚症状によって処方されている薬は様々です。また、薬は症状を抑える反面、副作用も必ずあります。上手に利用することが健康に生活する上でのコツです。
自律神経失調症の治療に東洋医学の考え方を取り入れます。気の流れの悪い部分に直接的、間接的に働きかけ、気の流れを整えます。これによって自律神経のバランスを取り戻していく方法が、鍼灸や指圧の治療になります。鍼灸は“気”に働きかけ、自然治癒力を活性化します。 マッサージは凝り固まった筋肉に対してアプローチしていきます。これによってリラクゼーション効果をもたらします。
ヨーガや太極拳によって、気の流れを改善したり、筋肉を無理なく鍛えると共に、ストレッチ効果をプラスし、自律神経のストレス耐性の弱い方でも、体質改善を図る事ができて、ストレス耐性をつけることが可能といわれています。
西洋医学ですが、神経支配の異常を反射等の検査で見つけて、背骨や頭蓋骨を調整します。頭蓋骨の調整は脳に、背骨の調整は脊髄に対して調整を促す手助けをし、リラックス効果も得られます。
栄養学的には、沢山の種類の物を沢山食べるのがよいとされていますが、最近では、食物の残留農薬、重金属、食品添加物等の摂取のし過ぎになるということも懸念されています。
残留農薬、重金属、食品添加物等を最小限の摂取で抑える事が出来る反面、栄養素の配分はむずかしいです。しかし、現代人は食べすぎであるという考え方からは、半断食や断食等の食事療法は、デトックス効果を生み、体内毒素は排出され、非常に体内を活性化して治癒力が増してくることが期待できます。
最近、よく耳にします慢性疲労症候群や、なかなか治らないメニエール氏症候群などの、よく判っていない病気に対して、有力視されているのがヘルペス等のウイルス感染の治療です。ヘルペスウイルス自体は、ほとんどの大人が持っています。体調や感染状況に応じて、口唇ヘルペス、性器ヘルペス、帯状疱疹等の症状はよく知られています。しかし、慢性疲労症候群の患者さんの体内には、通常の人よりも血中ヘルペスウイルスの数が多いそうです。また疲労している人の血液や唾液中にもヘルペスウイルスの数が多く存在しているというデータがあります。またメニエール氏症候群の患者さんのめまいが、ヘルペスを治す薬物療法によって内耳神経等の感染がなくなり、めまいもよくなるというケースが多いそうです。同じくして、感染症を考慮した治療や生活習慣は、自律神経失調症を根本から治す手がかりの一つといえるでしょう。
自律神経失調症の方は、完璧主義であったり、物事をまじめに捉えすぎていたりすることが多いようです。また、病気になってしまった自分自身が許せなかったり、このままじゃいけないと思ったり、家族に迷惑は掛けられないとか感じていたりします。心因性の自律神経失調症は、これらの恐れや不安を捨てる事からはじめてみてはいかがでしょうか。今現在の自分の病気を認めてあげることです。人生のうちの一つの段階なのです。決して恥ずかしい事ではないですし、「今はこういう時なのだ!」と現在の自分を肯定してあげる事です。恐れや不安などは、実は結果的には無駄な事がほとんどです。いらない不安や恐れは捨ててしまいましょう。
運動をして汗をかくという行為は、自律神経をよく働かせます。運動中は心拍数を上げたり、汗をかいて熱を放散したりを交感神経が行い、運動を終了してからは、副交感神経が活発になり、疲労が出て眠たくなり、身体の修復、回復を促します。運動は、意識的にこの交感神経と副交感神経の切り替えを促してあげる自律訓練となり、より一層自分の症状を確認する事に役立ちます。自分の症状をしっかり把握していく事が、治していく事の第一歩です。
日本人は、お風呂に入ることでリラックス効果を得ると考えがちですが、お風呂は身体にとって大変な負担を掛けています。熱を上げ、汗を出させる、血管は目いっぱい拡がり、血液は循環をします。これも自律神経を意識的に働かせる行為のひとつです。心臓の調子が悪くない人は、お風呂もリラクゼーションにはもってこいです。
これは、基本的に自分が没頭できるものを見つけるということです。体調の悪い時は、誰しも何もやる気が出ません。しかし、これを長期続ける訳にはいきません。何かを始めて、身体を治していかなければなりません。こんな時に出来る事は好きな趣味であったりします。趣味がない人もいるでしょうが、集中して何か楽しむものを見つけましょう。寝ていても治る病気ではないのです。
愛するのは家族や他人だけではなく、自分自身も愛してあげましょう。すると肩の力が抜けて、目の前が明るくなります。顔の表情はすぐさま一変し、明るい表情に変化していきます。この状態がストレスのない本来の状況なのかもしれません。医療的、科学的には理解しがたいことですが、治癒力が沸いて身体や心が治るには、こういった方法が本来必要なのかもしれません。
自律神経失調症を患うと 、色々な事を結果が出る前から心配して不安になってしまうことが多いものです。失敗する事を恐れて、くよくよ考え過ぎてしまうのです。これが自律神経を過剰に刺激して、ますますバランスを崩してしまいます。まず行動してみましょう。不安や恐れ、もしくは怒りは、結果として無駄なことが多いものだとそのうち思えるようになるでしょう。時は流れているのです。徐々に自分も変わっていきます。じっと思い悩んでいても仕方がないのです。今はこういった時なのだと自分自身を認め、受け入れる事も大切なのかもしれません。